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こうふの「はっこう」を訪ねて

「はっこうマルシェ
レジェンドセット」の調味料で
作る発酵おつまみレシピ

訪ねた場所 :
発酵酒場かえるのより道

文:小野民 写真:土屋誠

甲府駅から徒歩10分。にぎやかな商店街にある「発酵酒場かえるのより道」は、おいしいお酒と発酵おつまみが味わえる店です。今回は、発酵調味料と発酵食材を使いこなす店主の桑本尚也さんが、はっこうマルシェで購入できる「はっこうスペシャルボックス」のひとつ「はっこうマルシェレジェンドセット」の調味料を使って、はっこう要素たっぷり、簡単、おいしいレシピを教えてくれました。

唐揚げのみりん南蛮ソース和え

三河みりん+心の酢
ふっくらジューシーな鶏と好相性
やさしい甘酸っぱさがやみつきに
<材料>(作りやすい分量)
【南蛮ソース】
醤油
大さじ2
三河みりん(煮切り)※1
大さじ2
心の酢
大さじ1
かんずり※2
適宜

※1 煮切りみりんは、鍋にみりんを入れて沸騰させ、1分くらいぐつぐつ煮立たせたままにしておけばOK。アルコールを飛ばしているので、多めに作って余ったら冷蔵庫で保存しましょう。
※2 かんずりは唐辛子を発酵させたマイルドな辛みの調味料。


【唐揚げ】
鶏もも肉
1枚
塩麹
適量

作り方

  • ①. 鶏もも肉は1口大に切り、塩麹をもみこんで1時間以上、余裕があれば一晩置いておく。
  • ②. 【南蛮ソース】の材料は合わせて混ぜておく。
  • ③. ①の下味がついた鶏肉は2度揚げする。180℃で3分くらい、一度休ませてから200℃で1分くらいが目安。
  • ④. ③に②の南蛮ソースをからめていただく。

※今回は、仕上げにタルタルソースをかけ、小ネギをちらしました。ちなみにかえるのより道のタルタルソースはいぶりがっこ入りで人気です。

ポイント

店で定番の南蛮ソースは、アジの南蛮漬けにも使います。甘酢だれとしていろいろな料理に合わせられる万能調味料です。心の酢のまろやかな酸味と、三河みりんの上品な甘さがすごくいい相性なんですよ。

新玉ねぎひしおみぞれの旬菜がけ

心の酢
旬の味覚にたっぷりかけて
料理の主役になる和風ドレッシング
<材料>(作りやすい分量)
【ひしおみぞれ】
新玉ねぎ
1個(250〜300gくらい)
ひしお、または醤油麹
大さじ4
心の酢
大さじ2
好みの野菜や魚介類
適量

※ひしおとは、大豆、麦に米麹をブレンドした「ひしお麹」に醤油を混ぜて発酵させたもの。

作り方

  • ①. 玉ねぎはフードプロセッサーかおろし器でペースト状にする。
  • ②. ①を鍋に入れて塩をひとつまみまぶし、蓋をして強火にかける。
  • ③. 蒸気が出たら弱火にして4分蒸し煮にする。
  • ④. ひしお(または醤油麹)と心の酢も加えて混ぜる。
  • ⑤. スライスして水にさらした新玉ねぎ、茹でた菜の花やホタルイカなど好みの具を用意し、④をたっぷりかけていただく。

ポイント

「心の酢」は名前の通りにやさしい味わいで、酸っぱさだけじゃなく米のうまみも味わえるので、シンプルな料理でも味に深みが出ます。素材の味を楽しみたい料理におすすめです。お客さんにもよく作り方を聞かれるレシピです。

にんじんの甘酒ラペ

心の酢+糀のディップソース
ほんのり甘みがポイント
麹のうまみが重なる新しい風味
<材料>(作りやすい分量)
にんじん
1本
A
甘酒
大さじ1と½
心の酢
小さじ1
糀ディップソース
小さじ1


クミンシード
少々
好みのミックスナッツ
適宜

作り方

  • ①. にんじんは千切りし、塩(分量外)を振り、10分ほどおいて水気をしぼる。
  • ②. Aを混ぜ合わせ、1と和え、仕上げにクミンシードと砕いたミックスナッツ(※)をふりかける。

※店では、ピーナッツ、カシューナッツ、パンプキンシードの組み合わせ

ポイント

麹のディップソースはそのまま生野菜につけたらバーニャカウダとして楽しめるし、焼いた肉や魚のソースとしても使えて便利。甘酒がベースになっているので、にんじんそのものの甘みを引き立ててくれます。

茹で鶏のピリ辛和え

うふふラー油
異なる食感、酸味やうまみ
辛味との掛け合わせを楽しむ一品
<材料>(作りやすい分量)
鶏むね肉(茹でる)
小さめ1枚
トマト
1/2個
アボカド
1個
醤油麦麹
大さじ2と½
うふふラー油
小さじ2
大葉
1枚
ごま
適宜

作り方

  • ①. 茹で鶏は食べやすい大きさに手で裂き、トマトとアボガドはさいの目に切っておく。
  • ②. 醤油麦麹とうふふラー油を混ぜて①と合える。
  • ③. 仕上げに千切りにした大葉とごまを上にのせる。

ポイント

このレシピではいろいろな具材と混ぜてラー油の辛味をマイルドに仕上げています。コクのある辛味がきいているので、いつもの料理にちょっと変化をつけたいときに使えます。焼きそばなどの麺類に合わせると、手軽に担々麺のような風味が楽しめますよ。

みりんジンジャーシロップ

三河みりん
砂糖を使わないシロップで
さわやか手づくりジンジャーエール
<材料>(作りやすい分量)
しょうが(皮をむいてスライス)
200g
クローブ(ホール)
10個
カルダモン(ホール)
10個
ブラックペッパー(ホール)
15個
シナモンスティック
5cm
三河みりん(煮切り)
500ml
レモンのしぼり汁
大さじ1

作り方

  • ①. すべての材料を鍋に入れて2時間おく。
  • ②. 30分間沸騰しないように弱火で煮る。
  • ③. コップに適量を入れ、湯、炭酸水など好みの濃さに希釈していただく。

※シロップは清潔な容器に入れ、冷蔵庫で1ヵ月ほど保存可能。

ポイント

一度焼酎をつくり、さらにそこからみりんを仕込む昔ながらの方法で製造している三河みりん。手間のかかる昔ながらのつくり方をしているみりんって意外とめずらしいんです。そのまま飲んでもホッとする甘さのお酒として楽しめます。一般的には砂糖を使うジンジャーシロップも、おいしいみりんで作ると一味違います。店のメニューでは、しょうがの量は多めなので好みで調節してくださいね。

はっこうまち歩きのシメのお店になれたら

甲府で発酵酒場の店を構えて7年目になります。店を始める頃にちょうど手前味噌、甘酒、塩麹なんかを手づくりにするようになっていたので、「店のテーマに発酵っておもしろそう!」って思ったんです。

発酵調味料はそれ自体にしっかりおいしさがあるから、素材やシンプルな料理が引き立つ良さがあると感じています。うちのメニューのほとんどは発酵調味料を使っているか、パンとかキムチとかの自家製発酵食品か、お酒も含めてとにかく発酵づくしです(笑)。

店を始めてから、自家製だけでなく地元山梨の醸造メーカーにも興味を惹かれるようになりました。うちで定番で使っている上野原市にある戸塚醸造の「心の酢」、韮崎市にある井筒屋の「甲斐の白根」、五味醤油の麹など、職人がこだわってつくったいい品がたくさんあります。店の周囲には3軒も麹屋さんがあって、少し足を伸ばせばワイナリーもたくさんあって……発酵酒場の立地としてはとても恵まれているし、「発酵好き」が観光で来たら楽しめるだろうなぁと思うんです。お客さんには実際にそういう方も多くて、「どこに行って来ましたか?」「明日行くならここがおすすめ」と発酵つながりの行き先をあれこれ話すのも楽しいんです。はっこうを巡るまち歩きのシメに来てもらって、山梨の発酵や旬のものを味わってもらえたら嬉しいです。

(発酵酒場かえるのより道 店主 桑本尚也)

発酵酒場かえるのより道

山梨県甲府市丸の内1丁目20-21
080-8001-8335
月曜〜土曜日/16:00〜21:00(ラストオーダー)
日曜日(その他不定休)
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