こうふの「はっこう」を訪ねて

“こうふ”くの入口はみそ汁にあり
みそちがいで飲みくらべ

文:福井晶 写真:西希

私たちの暮らしの中で、身近な存在のみそ汁。ゴクリと飲むと幸せな気持ちになるのは、どうやら、小さな頃から飲んでいるからという理由だけではないようです。今回は発酵兄妹がはっこうスペシャルBOX「こうふのみそで味噌汁セット」に入っている2種類のみそでみそ汁をつくって飲み比べ。みそ汁の幸せについて教えてくれました。

発酵兄妹のいつものおみそ汁って?

発酵兄

さて、はじまりました!血液がみそ汁でできている発酵兄妹のおみそ汁講座。

発酵妹

紹介するのは、五味家がいつも飲んでいる、手間が少なくてもおいしくできるおみそ汁のレシピ。今日はこのレシピを2種類のみそでつくって、飲み比べます。贅沢な試みだね。

発酵兄

いいねぇ。うちは毎日、自分のところの「やまごみそ」のみそ汁だから、また違ったみそ汁が飲めるわけだ。

発酵妹

全く同じ材料で飲み比べって、なかなかないから楽しみ!

発酵兄妹のかんたんおいしいみそ汁
〈材料〉2人分
いりこだし(※)
2カップ
白菜
1枚(100g)
長ネギ
5cm
お麩
5、6個
みそ
大さじ2

※いりこだし・・・水1ℓに、いりこ5尾分(パリパリ焙煎いりこなら10枚と頭5つ)を一晩浸けるといりこだしの完成。冷蔵庫で2日、冷凍庫で1ヶ月ほど保存可能です。

〈つくり方〉

  • 1.. いりこだしを入れた鍋を火にかけながら、ネギと白菜を切る。お麩は水で戻しておく
  • 2.. いりこだしが沸騰したら、白菜、ネギの順に入れる
  • 3.. ひと煮立ちしたら、みそを溶かし入れ、お麩を入れたら完成
発酵兄

いりこと昆布の合わせだしでつくることも多いけど、今回はいりこだしなんだ。

発酵妹

そうそう。みその違いがなるべく引き立つように、だしはシンプルにしたよ。ベースになるだしを何にするかによって、みそ汁の味ってかなり変わるよね。地域によっては、鰹だしやアゴだしのところもあるし。

発酵兄

確かに。地域によってみそも違うし、色んな組み合わせがあって面白いよね。これは、昨日の晩に仕込んでおいたもの?

発酵妹

うん。うちの場合はいりこだしはボトルに入れて、毎日使ってるよ。あと、いりこのだしガラは取り除かずに、一緒にお鍋に入れて煮ちゃう。栄養があるし、食べるとギュッとだしが広がるんだよね。

具材はなんでもアリ。みそ汁は自由だ!

発酵妹

まずはいりこだしを火にかけて、材料をカットします。今日は小口切りにしようかな。

発酵兄

ネギは斜め切りにしたり、小口切りにしたり、切り方によっておいしさが変わるよね。

発酵妹

長めに切って煮て、トロッとさせるのも好き。白菜はサッと火を通してシャキシャキのままもいいし、クタクタに煮て甘さを味わうのもアリ。

みそ汁の具はこうじゃなきゃダメっていう決まりがないから、レシピにこだわらず、お好みで色々試してほしいな。

発酵兄

自由でいいよね。料理家さんとか、みそ汁の賢者たちが「具材はなにを入れてもいい」って言っているの、聞いたことがあるもん。唐揚げ、アボカド、トマト、意外なものも結構なんでも受け止めちゃう。

発酵妹

本当に冷蔵庫にあるもの、なんでもいい。なんでもおいしくなるから。今回のレシピはお肉を入れると豚汁ぽくなって、ごちそう感もでるからおすすめ。

発酵妹

具材を入れたら、ひと煮立ちさせるよ。朝、おみそ汁を飲みたいときは、前日の夜にここまでつくっておくと、すっごいラク。朝起きて鍋を火にかけて、身支度しながら沸くのを待ってみそを溶かすと完成。一瞬でできちゃうの。料理っていうより、朝のルーティンに近いかも。

発酵兄

朝は時間がないからね〜。でも朝にみそ汁を食べてほしいんだよな。うちの息子には、いくら寝坊してもみそ汁だけは食べさせるもん。

みそ汁を飲むと幸せな気持ちになるのは、なぜ?

発酵妹

胃が温まるし、栄養たっぷりだからね。「みそ汁は朝の毒消し」っていうらしいよ。他にも「医者に金を払うよりみそ屋に払え」、「みそ汁一杯、三里の力」とか、昔からみそ汁が体にいいっていう話は有名だよね。

発酵兄

うんうん。原料になる大豆には、タンパク質や脂質炭水化物のほかにも、ビタミンやミネラル、食物繊維が含まれてるからね。

発酵妹

あと、みそにはトリプトファンという成分が含まれていて、みそ汁を飲むと幸せホルモンが増えやすくなるんだって。

発酵兄

すげ〜。みそ汁飲んだら健康になるのは知ってたけど、幸せになる根拠もあるんだ。

発酵兄

お、煮えてきた。

発酵妹

いい匂い!

発酵兄

まだみそ入ってないけど、いりこの香りがすごい。

発酵妹

「パリパリ焙煎いりこ」は、量少なめでもきちんとだしが出るんだよ。

発酵妹

みそを溶いて、お麩を入れたら完成!10分くらいでつくれたね。簡単、簡単。

発酵兄

そのみそマドラー、いいね。便利そう。

発酵妹

一回分が簡単に計れて、そのままみそを溶かせるから使いやすいよ。みそこしで濾す人もいるけど、大豆のつぶつぶも栄養があるので、苦手でなければそのまま飲んでもらいたいな。

発酵兄

おいしそう。お麩も富士山の焼印が入っていてかわいいね。

発酵妹

いいでしょ。これが麦と米の麹と大豆を使った五味醤油の甲州みそ「やまごみそ」のみそ汁ね。

発酵妹

もう一杯も同じ手順でつくって、おかめ麹さんの米麹と大豆でつくられた「米みそ」を使うよ。おかめ麹さんは1894年(明治27年)創業の麹とみその老舗。五味醤油と同じ木桶仕込みの天然醸造だから、麹違いで味比べできるね。

発酵兄

米みそは、やっぱり優しい甘さなのかな。

▲左から、五味醤油「やまごみそ」のみそ汁、おかめ麹「米みそ」のみそ汁
発酵兄妹

できあがり!

発酵兄

見た目に大きな違いはないね。

発酵妹

さっそく、飲み比べてみよう。

みそを変えても、変わらないおいしさ

発酵兄妹

いただきま〜す!

発酵兄

まずは、おかめ麹さんの「米みそ」でつくったみそ汁から。米みそって、新鮮だなぁ。やわらかくて甘みもあるけど、全体的にスッキリしてる。余韻もふわっと広がって、きれいに引いていく感じ。白菜の甘みもよく合う。

発酵妹

甲州みそは香りと味のパンチが強いね。酸味と塩味があって、余韻も長く残る。う〜ん、どっちもおいしい!

発酵兄

間違いないね。それぞれに良さがある。ちょっと心のどこかに「うちのみその方がウマいはず」って気持ちがあったけど、どっちもすごくウマい。それにしても、ここまで違うのは面白いなぁ。

発酵妹

よく「このみそは、どんな具材にあいますか?」って質問されるけど、こだわりすぎなくてもいいんだなって、あらためて思ったよ。

発酵兄

それで新しいお気に入りが、見つかるかもしれないしね。

▲どこでも食べられる納豆、その名も「アウトドア納豆」。はっこうスペシャルBOXの「はっこう珍味セット」にも入っています。
発酵妹

よし、味変で「アウトドア納豆」をいれよう。パウチ入りの納豆を絞るだけ!

発酵兄

納豆の麹漬けだから、うまみたっぷりの納豆汁に変身するよ。これがウマいんだな。

発酵妹

また全然違うみそ汁になった。やっぱり、これいいね。

発酵兄

五味醤油の自信作だからね。いま各所で話題沸騰中よ。

発酵妹

はぁ、あったまる。

発酵兄

うめ〜。

発酵妹

今朝も飲んできたけれど、日に何度食べても飽きないのは、みそ汁のすごいところだなぁ。「やまごみそ」と「米みそ」を混ぜ合わせて使っても、奥行きのあるみそ汁になりそう。

発酵兄

いいね。色々みそを試すときは、そのときの気分で混ぜてみるのも面白いよね。レシピは参考程度にしておいて、お気に入りの配合を見つけて楽しんでほしい。

ホッとできたり、元気の源になったり。1杯のみそ汁は、幸福の入口でもあるんだよなぁ。そんなみそに携われるって、みそ屋冥利につきるよ。

▲レシピに使用した山梨のおいしいもの。左から、麩の岡田屋「もち麩」、やまくに「パリパリ焙煎いりこ」、おかめ麹「米みそ」、五味醤油「やまごみそ」

発酵兄妹

五味醤油の六代目の兄妹五味仁と洋子。家業のかたわら、「発酵兄妹」として発酵文化を楽しく広めるため奮闘中。今回のオンラインマルシェではナビゲーターを務める。

こうふのみそで味噌汁セット

米みそ、合わせみそ、富士山もち麩、パリパリ焙煎いりこ

1,646円(税込)