私たちの暮らしの中で、身近な存在のみそ汁。ゴクリと飲むと幸せな気持ちになるのは、どうやら、小さな頃から飲んでいるからという理由だけではないようです。今回は発酵兄妹がはっこうスペシャルBOX「こうふのみそで味噌汁セット」に入っている2種類のみそでみそ汁をつくって飲み比べ。みそ汁の幸せについて教えてくれました。
発酵兄妹のいつものおみそ汁って?
さて、はじまりました!血液がみそ汁でできている発酵兄妹のおみそ汁講座。
紹介するのは、五味家がいつも飲んでいる、手間が少なくてもおいしくできるおみそ汁のレシピ。今日はこのレシピを2種類のみそでつくって、飲み比べます。贅沢な試みだね。
いいねぇ。うちは毎日、自分のところの「やまごみそ」のみそ汁だから、また違ったみそ汁が飲めるわけだ。
全く同じ材料で飲み比べって、なかなかないから楽しみ!
- いりこだし(※)
- 2カップ
- 白菜
- 1枚(100g)
- 長ネギ
- 5cm
- お麩
- 5、6個
- みそ
- 大さじ2
※いりこだし・・・水1ℓに、いりこ5尾分(パリパリ焙煎いりこなら10枚と頭5つ)を一晩浸けるといりこだしの完成。冷蔵庫で2日、冷凍庫で1ヶ月ほど保存可能です。
〈つくり方〉
- 1.. いりこだしを入れた鍋を火にかけながら、ネギと白菜を切る。お麩は水で戻しておく
- 2.. いりこだしが沸騰したら、白菜、ネギの順に入れる
- 3.. ひと煮立ちしたら、みそを溶かし入れ、お麩を入れたら完成
いりこと昆布の合わせだしでつくることも多いけど、今回はいりこだしなんだ。
そうそう。みその違いがなるべく引き立つように、だしはシンプルにしたよ。ベースになるだしを何にするかによって、みそ汁の味ってかなり変わるよね。地域によっては、鰹だしやアゴだしのところもあるし。
確かに。地域によってみそも違うし、色んな組み合わせがあって面白いよね。これは、昨日の晩に仕込んでおいたもの?
うん。うちの場合はいりこだしはボトルに入れて、毎日使ってるよ。あと、いりこのだしガラは取り除かずに、一緒にお鍋に入れて煮ちゃう。栄養があるし、食べるとギュッとだしが広がるんだよね。
具材はなんでもアリ。みそ汁は自由だ!
まずはいりこだしを火にかけて、材料をカットします。今日は小口切りにしようかな。
ネギは斜め切りにしたり、小口切りにしたり、切り方によっておいしさが変わるよね。
長めに切って煮て、トロッとさせるのも好き。白菜はサッと火を通してシャキシャキのままもいいし、クタクタに煮て甘さを味わうのもアリ。
みそ汁の具はこうじゃなきゃダメっていう決まりがないから、レシピにこだわらず、お好みで色々試してほしいな。
自由でいいよね。料理家さんとか、みそ汁の賢者たちが「具材はなにを入れてもいい」って言っているの、聞いたことがあるもん。唐揚げ、アボカド、トマト、意外なものも結構なんでも受け止めちゃう。
本当に冷蔵庫にあるもの、なんでもいい。なんでもおいしくなるから。今回のレシピはお肉を入れると豚汁ぽくなって、ごちそう感もでるからおすすめ。
具材を入れたら、ひと煮立ちさせるよ。朝、おみそ汁を飲みたいときは、前日の夜にここまでつくっておくと、すっごいラク。朝起きて鍋を火にかけて、身支度しながら沸くのを待ってみそを溶かすと完成。一瞬でできちゃうの。料理っていうより、朝のルーティンに近いかも。
朝は時間がないからね〜。でも朝にみそ汁を食べてほしいんだよな。うちの息子には、いくら寝坊してもみそ汁だけは食べさせるもん。
みそ汁を飲むと幸せな気持ちになるのは、なぜ?
胃が温まるし、栄養たっぷりだからね。「みそ汁は朝の毒消し」っていうらしいよ。他にも「医者に金を払うよりみそ屋に払え」、「みそ汁一杯、三里の力」とか、昔からみそ汁が体にいいっていう話は有名だよね。
うんうん。原料になる大豆には、タンパク質や脂質炭水化物のほかにも、ビタミンやミネラル、食物繊維が含まれてるからね。
あと、みそにはトリプトファンという成分が含まれていて、みそ汁を飲むと幸せホルモンが増えやすくなるんだって。
すげ〜。みそ汁飲んだら健康になるのは知ってたけど、幸せになる根拠もあるんだ。
お、煮えてきた。
いい匂い!
まだみそ入ってないけど、いりこの香りがすごい。
「パリパリ焙煎いりこ」は、量少なめでもきちんとだしが出るんだよ。
みそを溶いて、お麩を入れたら完成!10分くらいでつくれたね。簡単、簡単。
そのみそマドラー、いいね。便利そう。
一回分が簡単に計れて、そのままみそを溶かせるから使いやすいよ。みそこしで濾す人もいるけど、大豆のつぶつぶも栄養があるので、苦手でなければそのまま飲んでもらいたいな。
おいしそう。お麩も富士山の焼印が入っていてかわいいね。
いいでしょ。これが麦と米の麹と大豆を使った五味醤油の甲州みそ「やまごみそ」のみそ汁ね。
もう一杯も同じ手順でつくって、おかめ麹さんの米麹と大豆でつくられた「米みそ」を使うよ。おかめ麹さんは1894年(明治27年)創業の麹とみその老舗。五味醤油と同じ木桶仕込みの天然醸造だから、麹違いで味比べできるね。
米みそは、やっぱり優しい甘さなのかな。
できあがり!
見た目に大きな違いはないね。
さっそく、飲み比べてみよう。
みそを変えても、変わらないおいしさ
いただきま〜す!
まずは、おかめ麹さんの「米みそ」でつくったみそ汁から。米みそって、新鮮だなぁ。やわらかくて甘みもあるけど、全体的にスッキリしてる。余韻もふわっと広がって、きれいに引いていく感じ。白菜の甘みもよく合う。
甲州みそは香りと味のパンチが強いね。酸味と塩味があって、余韻も長く残る。う〜ん、どっちもおいしい!
間違いないね。それぞれに良さがある。ちょっと心のどこかに「うちのみその方がウマいはず」って気持ちがあったけど、どっちもすごくウマい。それにしても、ここまで違うのは面白いなぁ。
よく「このみそは、どんな具材にあいますか?」って質問されるけど、こだわりすぎなくてもいいんだなって、あらためて思ったよ。
それで新しいお気に入りが、見つかるかもしれないしね。
よし、味変で「アウトドア納豆」をいれよう。パウチ入りの納豆を絞るだけ!
納豆の麹漬けだから、うまみたっぷりの納豆汁に変身するよ。これがウマいんだな。
また全然違うみそ汁になった。やっぱり、これいいね。
五味醤油の自信作だからね。いま各所で話題沸騰中よ。
はぁ、あったまる。
うめ〜。
今朝も飲んできたけれど、日に何度食べても飽きないのは、みそ汁のすごいところだなぁ。「やまごみそ」と「米みそ」を混ぜ合わせて使っても、奥行きのあるみそ汁になりそう。
いいね。色々みそを試すときは、そのときの気分で混ぜてみるのも面白いよね。レシピは参考程度にしておいて、お気に入りの配合を見つけて楽しんでほしい。
ホッとできたり、元気の源になったり。1杯のみそ汁は、幸福の入口でもあるんだよなぁ。そんなみそに携われるって、みそ屋冥利につきるよ。
発酵兄妹
五味醤油の六代目の兄妹五味仁と洋子。家業のかたわら、「発酵兄妹」として発酵文化を楽しく広めるため奮闘中。今回のオンラインマルシェではナビゲーターを務める。